後遺障害慰謝料に関するＱ＆Ａ

後遺障害慰謝料に関するＱ＆Ａ

Q後遺障害慰謝料と入通院慰謝料はどう違うのか？

　後遺障害慰謝料とは，後遺障害が残ってしまったことに対する精神的苦痛を補償するものです。

　これに対して，入通院慰謝料とは，事故によって入通院を余儀なくされたことによる精神的苦痛を補償するものです。

　後遺障害が認定された場合には，後遺障害慰謝料に加えて，入通院慰謝料が保険会社から支払われます。

　後遺障害が認定されなければ，原則として後遺障害慰謝料は支払われず，入通院慰謝料が支払われることになります。

　後遺障害慰謝料の計算基準には，①自賠責基準，②任意保険基準，③裁判所基準の３つがあります。

　①自賠責基準とは，自賠責保険における後遺障害慰謝料の計算基準です。

　例えば，後遺障害等級１４級が認定された場合，自賠責保険は７５万円を被害者に支払いますが，このうち３２万円が自賠責基準での後遺障害慰謝料です。

　②任意保険基準とは，任意保険会社が独自に作成した後遺障害慰謝料の計算基準です。

　この計算基準は，自賠責基準よりは高いけれども，裁判所基準よりは低い金額となることが多いです。

　③裁判所基準とは，裁判所の用いている後遺障害慰謝料の計算基準です。

　裁判所基準はいくつかあるのですが，代表的なものは，損害賠償額算定基準（通称「赤い本」）に掲載されている基準です。

　例えば，後遺障害１４級の場合には，赤い本によれば，後遺障害慰謝料として１１０万円が認定されることになります。