加害者が任意保険に加入していない場合の対応方法
無保険車は意外と多い
損害保険料率算出機構が2020年5月に公表した「自動車保険の概況 2019年度版」によれば、2019年3月末時点における、対人賠償保険・対人賠償共済の加入率は、合計88.2%でした。
つまり、公道を走っている車両の約10台に1台が無保険ということになります。
もし、無保険の車両にぶつけられてしまった場合、賠償金はどうなるのでしょうか。
人損について
無保険車にぶつけられて、怪我を負ってしまった場合、治療費、休業損害、慰謝料などの人損はどのように補償されるのでしょうか。
主な対応方法は2つあります。
①人身傷害保険を使用する
ご自身の加入する人身傷害保険を使用して、ご自身の任意保険会社から治療費、休業損害、慰謝料などの人損を支払ってもらう方法があります。
人身傷害保険を使用することのメリットは、主に3つあります。
一つ目は、任意保険会社が医療機関に治療費を直接支払うため、窓口での負担が通常ないことです。ただし、健康保険を使用する場合には、窓口負担が生じることがあります。
二つ目は、人身傷害保険を使用しても、翌年以降の保険料が上がらないことです。
三つ目は、自賠責保険の枠を超えても、人身傷害保険の枠内であれば人損が支払われることです。例えば、自賠責保険の傷害部分の枠は120万円ですが、仮に治療費、休業損害などが合計200万円になったとしても、人身傷害保険から200万円が支払われます。
②自賠責保険に被害者請求をする
加害者の加入する自賠責保険に被害者請求をして、自賠責保険から治療費、休業損害、慰謝料などの人損を支払ってもらう方法があります。
自賠責保険に被害者請求をすることのメリットは、治療期間、通院頻度などについて、保険会社から色々と指摘を受けないで通院できることにあります。
人身傷害保険を使用する場合には、通常、任意保険会社から健康保険や労災を使用するよう求められます。また、通院期間が長くなると、治療費の支払いを止めたいなどと言われることもあります。
しかし、自賠責保険に被害者請求をする場合には、そのような話をされることは通常ありません。
①と②のどちらが良いかどうかは、事案によって異なるため、弁護士などの専門家に相談して判断するのが良いでしょう。
物損について
車の修理費などの物損については、どのように賠償されるのでしょうか。
考えられる方法は2つあります。
①ご自身の加入する車両保険を使用する
車両保険を使用すれば、ご自身の加入する任意保険会社が保険の範囲内で修理費を支払ってくれます。
ただし、車両保険を使用すると、等級が下がり、翌年以降の保険料が上がってしまうというデメリットがあります。
②加害者本人に支払ってもらう
加害者本人に修理費などを支払ってもらえば、翌年以降の保険料は上がりません。
もっとも、自動車の修理費は数十万、場合によっては数百万円になることもあるため、加害者本人に支払うだけの資力がないことも多いです。
車両保険に加入しておらず、かつ加害者本人に資力がない場合には、泣き寝入りになってしまうこともあります。
弁護士法人心に相談
加害者が任意保険に加入していない場合、今後、修理費や治療費の支払いなどがどうなるのか、分からなくて困ることが多いと思います。
当法人には交通事故に強い弁護士が多数在籍しておりますので、お困りの方は、当法人までお気軽にご相談ください。